私自身、オンでもオフでも、直感を大切にしています。
思った時にすぐ動けるか動けないかでかなり結果が違ってくる。見聞きした瞬間すぐに「やらなきゃいけないな」と思うことは、ほとんどが必要なこと。
ブランディングを始めるきっかけもひとことで言えば直感でした。
日経BP主催の村尾隆介さんのセミナーに参加して「ブランディングというものは、今後ものすごく大事になってくるだろう」と感じたんです。
建設業界は他の業界から見ると遅れている部分が多々あります。例えばお菓子屋さんに行けば、ひとつひとつの商品をすごく綺麗にラッピングして、たった数百円のものを買ったのに「ありがとうございました」と深々頭をさげてもらえる。弊社は何億もする商品を買っていただいているのに、引き渡しの書類なんて100均で買ってきたようなクリアファイルに書類をいれて渡していたわけです。「こんなのおかしい」と思い始めると同時に、このままでは淘汰されてしまうという不安を持ちはじめました。
だからこそ変化が必要だと思ったんです。でも人間は急な変化に耐えられない生き物。徐々に変えていける方法を考え続けました。最初に手がけたのは「見えるところ」。効果が出綺諄もなから取り組むことになりました。最初はロゴマークとユニフォームの変更。テーマは「進化する老舗」としました。
事業として社寺建築も手がけ、技術のある大工さんもいる。そ ういった伝統や品格のあるイメージを持たせながらも、前進し続けるかっこいい企業であること。ゆくゆくは建設業界そのものが次世代から憧れるようになるようにという想いがあります。
ブランディングはお客さまと私たちをつなぐ「接点」なんです。名刺、社用車、封筒、すべてがお客さまとの接点。それができたら今度は繋いでいかないといけない。2年前にブランディングを始めてから、たまたまでしょうけれども売上も上がっています。でもそれはプランディングだけに起因するものではなく、色々な要因が複合的に絡んだ結果だと考えています。
例えば大工が育ってきちんとした仕事をすること、営業が一生懸命仕事を受注してくること。組織・売上 ・ 建物、 みな社員が作っている。人が育たなければ数字も上がらないんです。人材育成とブランディングとは密接に関係しあっているのではないでしょうか。人を育てることが究極のブランディングだと思います。