山形が誇る観光名所、山寺の頂上付近に在る中性院は屋根のトタンの老朽化に伴い屋根替え工事を必要としていました。屋根替え工事という工事は既存の小屋組を解体して新しく作り直す工事です。もともとあった萱葺き屋根にトタンをかぶせて改修してあったので、今回の工事ではトタンと萱両方の解体が必要でした。しかも寺を使用しながらの工事なので物は下に絶対落とせません。
工事の特色としては立地条件の悪さがあげられます。資材の運搬は、山の下の駐車場から専用車に荷物の積み替えを行い、裏山の林道を通って現場の60m上の広場で仮設のモノレールに再度積み替えして現場に搬入という段取りで行われました。資材の運搬に車を使用する為職人さんは自分の足で1000の石段を登ってからの作業となり、苦労されていたと思います。ちなみに現場担当者は10キロ体重が減ったそうです。東日本大震災直後の工事だったので、職人不足の中雪が降る前に無事完了出来た思い出の現場です。